現在我が国は,いろいろな面で大きな転換期を迎えている。人口の一極集中により地方の空洞化が進み,少子高齢化により多くの産業で労働力不足が深刻化しつつある。また経済面では,戦後の高度経済成長期,石油危機,バブル経済とその終焉を経て緩やかな成長の維持に注力する時代が続いていたが,昨今の新型コロナウィルスの拡散の影響を受けて停滞が避けられない状況となった。さらに近年地球温暖化の影響と思われる気象変動による台風や大雨等は過去の経験を大きく逸脱する規模となり国民の暮らしを脅かしつつある。一方国民のライフスタイルは,産業面におけるICTや省エネ・リサイクル,生活面でもパソコン,携帯,LED等の目覚ましい技術革新により大きく変化している。これらの状況を踏まえ今後のインフラ整備には,慣例・事例に囚われない大胆な発想転換も必要と思われる。
我が国のインフラのうち道路や空港の舗装は,その構造設計法や材料,施工機械などを含む基本技術を欧米から導入し,逐次供用条件に応じた改善・開発を行い急速に整備されたものである。制度面では性能規定発注方式の導入や維持管理の指針となる点検要領の策定等,時代のニーズにあわせた変革が行われてきた。
本シンポジウムでは,舗装を含むインフラ整備の現況をレビューして課題を抽出し,そのあり方や展望を説明いただくとともに,舗装の分野で今後取り組む技術を用途別に解説・議論するものである。
記
日 時 : 令和2年12月1日(火) 10:30〜15:45
主 催 : 一般社団法人 日本道路建設業協会
後 援 : 国土交通省
協 賛 : 公益社団法人 日本道路協会
特別講演 : 「今後の世界を展望し日本のインフラ整備を考える」
東京大学 大学院 工学系研究科 教授 羽藤 英二
パネルディスカッション:「舗装技術の課題と今後の取り組み」
座 長 : 石川工業高等専門学校 環境都市工学科 教授 西澤 辰男
パネリスト : 国土交通省 国土技術政策総合研究所 空港研究部 空港施設研究室長 坪川 将丈
国立研究開発法人土木研究所 道路技術研究グループ 舗装チーム 上席研究員
藪 雅行
株式会社高速道路総合技術研究所 道路研究部 舗装研究担当部長 高橋
茂樹
一般社団法人日本道路建設業協会 技術政策等情報部会 委員
江向 俊文
定 員 : 約450 名
参加費 : 無料