低騒音舗装−世界的に見たその技術革新 (2)


 ウルフ サンドベルグ(スウェーデン道路研究所)
By Dr Ulf Sandberg
Swedish National Road and Transport Research Institute (VTI)
Linkoping, Sweden
E-mail: ulf.sandberg@vti.se
(訳:編集委員 藤田 仁(日本道路株式会社))


  3. 騒音測定方法

 本文では今後、騒音測定結果について述べるため、騒音測定方法について多少の説明が必要と思われる。本来、道路の騒音測定には2種の国際的な方法が使用されてきた(SPB法とCPX法)。また、CPX法は比較タイヤに関しての規定が必要である。
" SPB法(The Statistical Pass-By Method)ISO 11819-1に規定される。
" CPX法(The Close-Proximity Method)ISO/DIS 11819-2に規定される(2012年12月よりISOとして利用できる)  
" CPX法の比較タイヤについてはISO/TS 11819-3に規定される(現在は案として存在)
 もちろん米国は国際的な方法として受け入れていないが、最近同様な規定を作成している。
" The Statistical Isolated Pass-By Method(SIP法):AASHTO TP-98に規定[Lodico et al,2012]
" The On-Board Sound Intensity Method(OBSI法):AASHTO TP-76-09に規定
これらAASHTO基準は購入できる

SPB法においてマイクロフォンは音を反射する障害物のない道路レーンの中央から7.5mの位置に設置し一定速度の1台の車両の通過騒音レベル(時には周波数スペクトルも)を測定する。車速は同時に測定する。車速と騒音レベルをプロットし、乗用車では50、80、110km/h、大型車では50、70、85km/hの時の騒音レベルを読み取る。少なくとも100台の乗用車、80台の大型車について試験し、試験路面の評価とする。SPB法では道路に沿ったある1点での測定を行う。
CPX法では1種ないし2種の比較タイヤをトレーラーに装着し、2つのマイクロフォンをタイヤ近くに設置する。車両が一定速度(50および80km/h)で走行したときの音圧レベルをマイクロフォンで測定する。一般的に少なくとも100mにわたって測定した信号を解析し、それぞれの速度での平均的な騒音レベルを求め、試験路面の代表的な騒音レベルとする。マイクロフォンを外部と遮断するため図―2に示すようにトレーラーを覆う。他のオプションとしてマイクロフォンを大型車もしくはバンの4つのタイヤの一つに取り付ける方法もある。タイヤは比較用のものとしていずれ規定されるISO 11819-3に適合するものでなくてはならない。それらはすでにASTM F2493でSRTTと呼ばれて規定されており、代表的な乗用車のタイヤとして考案された。またAV4という英国のCooper-Avon製の小型トラックのタイヤもあり、大型トラックタイヤを代表するものとして考案されている。これらの結論に到達するまでには数多くの試験が行われてきた。これらのタイヤの製造法は特殊な方法が採られ、低い温度での保管が必要である。
日本もまたISOの中でこれらの測定法の開発に参加している。
 
 
                           

                      図- 2: 覆いを上げたCPXトレーラー                                                    図- 3: 比較用タイヤ





                                                                                

      

 

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